外壁を触ったときに、ザラザラとする触感がある「リシン」という塗料をご存知でしょうか?
モルタル外壁を仕上げる方法の1つで、リシン仕上げとも呼ばれます。
恐らく実際にご覧になったことのある方は多いでしょうが、その特徴については知らないでしょう。
今回は外壁塗装の種類の1つであるリシンについて説明します。
■リシン仕上げの外壁の特徴
リシンとはモルタル外壁の仕上げ材で用いられる表面化粧材です。
細かく砕いた石や砂にセメント、着色剤、樹脂などを混ぜて吹き付けるため、表面はザラザラとしています。
様々な材料が混ざることで落ち着いた外観になるため和風住宅との相性も抜群です。
現在のアクリル樹脂素材が確立された1960年から1980年代にモルタル仕上げ材として知られるようになりました。
耐用年数は8年程度と言われています。
■リシン仕上げの特徴とよくある症状
リシン仕上げの特徴には以下のものが挙げられます。
◎透湿性と通気性が高い
リシンの持つ大きなメリットは透湿性や通気性に優れていることです。
日本の新築住宅の多くが木材で作られていますが、木材は水分に弱いです。
湿気が木材の内部にこもると、すぐに腐敗するという事態もありえるでしょう。
そのため、仕上げ材に透湿性の高いリシンを用いることで、木材の劣化を食い止められます。
◎ツヤのない落ち着いた仕上がり
モルタル外壁を使用した住宅では新築ならではの光沢でなく、ツヤを抑えた落ち着きのある仕上がりを求める方が多いです。
リシン仕上げの外壁は表面の凸凹により太陽光が拡散するため、新築でもツヤが抑えられます。
また、施工するたびに粒子の大きさや位置の違いにより印象が変わります。
さらに、リシン掻き落としをすることで高級感も演出できるでしょう。
ここから下はよくある症状を上げていきます。
◎ヒビ割れしやすく防水性も良くない
低価格で施工しやすいなど様々なメリットを持つ一方で、短所もいくつかあります。
リシン吹き付けは薄く施工されており、安い樹脂が用いられているため、耐久性は8年ほどで長いとは言えません。
また、下地のモルタルが収縮した場合にも対応できないため、ヒビ割れが起こりやすくなっています。
幅が0.3ミリメートル以上のヒビ割れは致命的なので、充填剤で補修や塗装をした方が良いでしょう。
他にも、横方向のヒビ割れにも注意する必要があります。
横に広がるヒビ割れは壁から伝ってくる雨水を全てせき止めるため、そのまま内部に水が流れ込む可能性が高まります。
リシン外壁でヒビ割れが目立ち始めると、建物の内部にまであっという間に被害が及ぶので、業者への相談は早めにしましょう。
◎汚れが目立ちやすい
リシン仕上げの外壁は凸凹が多いため、くぼみにホコリや水垢がたまりやすくなっています。
また、通常のリシンには防カビ機能や防藻機能が備わっていない場合が多く、湿気にも気をつける必要があるでしょう。
これらの汚れは外観を損ねるだけでなく、耐久性を下げる原因にもなります。
汚れが目立つ場合は高圧洗浄などの方法も考えておくと良いでしょう。
■リシン吹き付けの塗装が必要な症状とは?
リシン吹き付けを行うべき症状には以下のようなものが挙げられます。
1つ目はヒビ割れです。
リシン吹き付けはヒビ割れが起きやすく、8年ほどで数カ所のヒビ割れが発生します。
窓枠との結合部分はヒビ割れが起きやすく、雨水が侵入する原因にもなるので注意しましょう。
ヒビ割れが小さい場合は塗装の緊急性は低いです。
しかし、ヒビ割れの溝が1mm以上の場合は外壁の内側に水が侵入することで雨漏りが起きるため、すぐに外壁塗装を行いましょう。
2つ目はチョーキング現象です。
チョーキング現象とは外壁を手で擦ると、白い粉がつく外壁の劣化症状です。
塗料が長い間、紫外線にさらされることで劣化し、表面が粉状になるのが原因です。
塗料の劣化を表す症状で外壁を塗り替えるタイミングと言えるでしょう。
しかし、見た目だけでは気付きにくい現象で見落とす場合も珍しくありません。
外壁を触り、手が白くなった場合は塗装業者に相談してみましょう。
3つ目は外壁のカビとコケです。
リシン吹き付け外壁は汚れが付着しやすいため、8年から10年ほどでカビやコケが発生します。
カビやコケは湿気の多い場所に発生するため、これらは防水性能の低下を示します。
そのため、カビやコケを放置しておいてはいけません。
外壁がスポンジのように水分を吸収するようになり、外壁の内部から腐食させてしまいます。
放置せずに見つけた場合はすぐに塗装業者に相談しましょう。
今回のコラムでは外壁塗装に使われるリシンについてご説明しました。
透湿性に優れ、高級感のあるリシンですが、ヒビ割れが起こりやすく、防水性も低いため注意する必要があります。
リシン外壁を採用した場合はヒビ割れやカビが発生したらすぐに業者にメンテナンスを依頼しましょう。
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