外壁塗装というと塗料を塗る工程に目がいきがちですが、より納得できる仕上がりにするためにも、養生の工程は必要不可欠です。
しかし、重要であるにもかかわらず
「養生って本当に必要なの?」
「養生するのに費用はどれくらいかかるの?」
と養生についてあまり知らない方も多くいらっしゃいます。
そこで今回は外壁塗装において養生はどれほど重要なのか、費用はどれくらいかかるのかをご紹介します。
■そもそも養生とは?
養生とは外壁塗装で取り入れられている工程の中の一つです。
主な役割は塗料が飛散するのを防ぐことです。
外壁塗装の塗料は粘土はあるもののほぼ液体です。
塗料を塗るのは人間ですから、どうしても間違ったところを塗ってしまったり、どこかに飛び散らせてしまったりすることもあります。
うっかり白い壁に茶色の塗料が飛んでしまったら、せっかくそれ以外の部分がキレイに塗装されていても、台無しになるのは想像がつくかと思います。
そのため、養生は外壁工事の工程として欠かせない重要なものなのです。
■実際には何をするのか?
具体的に養生では何をしているのかをご紹介します。
実際は養生用ポリシートという透明なシートをマスキングテープで塗装しない部分に貼り付けます。
養生用シートは普通のビニールよりも何倍も大きなサイズのものを使っています。
マスキングテープは布テープよりも粘着力は弱いですが、ぴったり付着するうえ簡単にはがせて跡も残らないテープです。
養生する場所はエアコンの室外機や窓、ドアなどです。
場合によっては車や植物なども養生することもあります。
ただし、植物はあまり長い間養生してしまうと枯れてしまうため、塗装が終わった段階ですぐにシートをはがします。
■養生の相場はどれくらいなのか?
外壁塗装を依頼する際に相場を知っておけば、見積書の確認もきちんとできるようになりますし、正しい価格を提示してくれているか見極めることもできます。
養生の費用は一般的な住宅では3~6万円程です。
普通は外壁の面積で計算されますが、車やエアコンの室外機、植栽や窓などシートを施すところが多くあると、相場よりも高く養生費がかかる場合もあります。
反対に相場よりも安すぎる相場、もしくは高すぎる相場が見積書に記載してある場合は、その理由を聞いてみましょう。
安すぎる相場であれば、十分に養生をしてくれない可能性もありますし、高すぎる場合はその業者特有の丁寧な養生方法を使っている可能性もあります。
いずれにせよ、費用に関する問題ですので、相場を踏まえたうえで理由を聞き、納得のいく説明をしてもらいましょう。
■養生の注意点
外壁塗装をするにあたって、塗装する以外のすべての場所を養生するわけなので、前述したように、窓もエアコンの室外機もシートで覆われます。
そうなると当然、塗装期間中に窓は開けられません。
冬場であれば特に問題はないですが、夏場の外壁塗装の場合窓が開けられない、エアコンが使えないというのは熱中症になってしまう可能性もありますので、季節に応じて塗装業者とよく相談しておきましょう。
■塗料が飛散したらどうすればいいのか?
塗装業者は常に万全の注意を払って作業をしていますが、塗料を飛び散らせてしまうときもあります。
そうなってしまった場合は「剥離剤」という溶剤を用いて塗料をはがす必要があります。
ですが、塗装に無知な方が剥離剤をしようとすると失敗する危険がありますので、塗装工事が終わった段階で塗装が飛散している場所を業者に報告し、対応してもらいましょう。
万が一、自分の車や近隣の住宅などに飛散してしまった場合は保険が適応される場合もあります。
外壁塗装を業者に依頼する前に、その業者が「請負業者賠償責任保険」という保険に入っているか確認しておきましょう。
そうでない場合、塗装業者が補償をしてくれることはないので、注意が必要になります。
■養生は外壁塗装の完成度を左右する
養生を丁寧にしているかどうか見ることで、その業者の外壁塗装へのスタンスが分かります。
外壁塗装を業者に依頼する際、過去にその業者がどのように養生をしたのか、写真などがあれば見せてもらいましょう。
見積もりで費用を確認するのはもちろんですが、養生に時間をかけてくれているかも見るようにしましょう。
養生をあまりにも速いスピードで終わらせようとしている業者は、養生をないがしろにしている可能性があります。
養生だけでなく、外壁塗装のどの工程であっても丁寧にやってくれるような業者を選ぶようにしましょう。
今回は養生がいかに重要なのか、養生の相場はどれくらいなのかをご紹介しました。
塗料を塗る作業と比べるとあまり目立たない作業ではありますが、外壁塗装を滞りなく仕上げるためにも、養生は必要不可欠な工程です。
外壁塗装を依頼する際には、塗装業者の技術だけでなく養生についての知識も頭にいれておき、きちんと作業してくれる業者を選ぶことも重要になります。