「せっかく外壁塗装をするのであれば長持ちさせたい!」
「できるだけ高耐久の外壁塗装はできないの?」
近所への迷惑に対する配慮や費用の高さから、できるだけ塗装の回数を減らしたいとお考えの方も多いと思います。
実は外壁塗装の耐用年数には塗料の存在が非常に大きく関わってきます。
従って、外壁塗装を何度も繰り返さないためには高耐久という特徴をもった塗料を選ぶことが大切なのです。
そこで今回のコラムではは高耐久の外壁塗装にするためにどのような塗料を使うべきかを他の塗料と比較して解説していきます。
■一般的な塗料の特徴と耐用年数
まず、ここ最近で一般的に主流とされている塗料の特徴と耐用年数を比較していきます。
◎シリコン系塗料
シリコン系塗料は防カビ性、防藻性など汚れに強く、屋根の塗り替えや外壁塗装において最も一般的に使用されており、耐用年数は8年~12年とされています。
◎光触媒塗料
光触媒塗料は太陽光によって汚れを浮かせて雨で落とすというセルフクリーニング効果があり、基本的にメンテナンスが不要という非常に汚れに強い特徴から次世代塗料と呼ばれています。
耐用年数は15年~20年とされています。
◎フッ素系塗料
フッ素系塗料は主にビルや商業施設などの規模が大きい建物に使われることが多く、耐久性や耐汚性、耐熱性、防水性など多くの機能性を備えているという特徴があります。
近年では住宅の外壁塗装にも使用される機会が増えてきており、耐用年数は20年前後とかなり高耐久な塗料です。
◎無機塗料
無機塗料はあらゆる気候に対して劣化しにくいという耐候性に非常に優れており、その耐候性から耐用年数は25年~30年と圧倒的に長い耐用年数を誇る塗料です。
■各塗料のトータル費用の比較
各塗料の特徴と耐用年数について比較してきましたが、次は25坪のお住まいで50年間に何回外壁塗装が必要になるのかを考えたときのそれぞれの費用を比較していきます。
◎シリコン系塗料(1㎡当たり3,500円)
シリコン系塗料の塗装にかかる一回あたりの費用はおよそ60万円です。
シリコン系塗料の耐用年数は8年~15年なので、50年間では200万円~300万円となります。
◎光触媒塗料(1㎡当たり5,500円)
光触媒塗料にかかる一回あたりの費用はおよそ75万円です。
光触媒塗料の耐用年数は15年~20年なので、50年間では200万円~250万円となります。
◎フッ素系塗料(1㎡当たり4,800円)
フッ素系塗料にかかる一回あたりの費用はおよそ70万円です。
フッ素系塗料の耐用年数は20年前後なので、50年間では160万円~180万円となります。
◎無機塗料(1㎡当たり6,000円)
無機塗料にかかる一回あたりの費用はおよそ80万円です。
無機塗料の耐用年数は25年前~30年なので、50年間では150万円前後となります。
■使うべき塗料は?
以上各塗料の特徴、耐用年数、費用を比較してきましたが、今回の高耐久というテーマに沿った塗料としてはどれを選ぶのが良いのでしょうか?
上記の費用の比較から、1㎡当たりの費用は無機塗料が一番高くなりますが、50年間というトータルで考えた場合には無機塗料が一番お得な塗料であることがわかると思います。
つまり、最もコストパフォーマンスが高い塗料を選ぶと、一番のおすすめは無機塗料ということになります。
■無機塗料についてもっと知ろう!
なぜ、無機塗料は他の塗料に比べて圧倒的に耐用年数が長いのでしょうか?
その秘密はセラミックやケイ素などの無機成分の割合が多い、つまり炭素をほとんど含んでいないという点にあります。
炭素には他の物質と結びつきやすい性質があり、一般的な塗料では炭素と樹脂の結合を利用して塗膜の形成を図っていますが、その結びつきが壊れやすいという性質もあります。
一方で、無機塗料は炭素を含んでいないため、そのような結びつきが壊れて塗膜が剥がれるという心配もなく、雨や紫外線、その他の汚れなどに対して非常に高い耐候性と耐汚性を発揮するのです。
また、無機物は耐火性にも大変優れているため、火事に対しても非常に高い耐久性を誇ります。
今回は高耐久の外壁塗装にするためにどのような塗料を使うべきかを他の塗料と比較して解説しました。
比較した結果から、最もコストパフォーマンスが高い塗料は無機塗料ということがわかりました。
何度も外壁塗装をしたくないという方は、ぜひ無機塗料を使ってみてはいかがでしょうか?
ただし、他の比較した塗料もそれぞれに特徴を持っており、一概にどの塗料が一番良いとは言えないため、まずはそれぞれの家庭に合った塗料を外壁塗装業者に相談する事をオススメします。